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劣化Pilot

調布飛行場での事故に隠れて大きくは報道されませんでしたが、とんでもないエラー?ミス?がシンガポール(チャンギ国際空港)で起きていました。

某社のシンガポール~成田便 (B767、午前2時25分頃) で事もあろうに離陸滑走を "Taxiway" から開始し、PMである機長が誤りに気がついて離陸を中断したとの事です。ほぼ同時に管制塔からも離陸中止の指示を受けたそうです。

この重大なミスが明らかになったのは、機長からの報告ではなくシンガポール当局からの連絡であったとのことで『開いた口が塞がらない』とはこのようなことを言うのではないでしょうか。

会社発表では、『機長は、そんなに速度が出ていなかったので報告の必要が無いと考えた』との由。

1つめの問題:知識

世界の空港でSingaporeほど地上滑走が簡単な空港はありません。当日の状況は解りませんが自機の前に伸びる "Green light" に従ってTaxiするだけで良いのです。このような設備を備えた空港はSingapore以外には殆どありません(LHRで一部利用されていますが現在はもっとあるのでしょうか?Retired pilotには知るすべがありません)。

「離陸滑走を開始した」との意味が良くわかりませんが、多分、PF(副操縦士)はAuto throttleをTakeoffに "Set" しTakeoff rollを開始したのでしょう。このことは両操縦士ともハッキリと離陸を開始する意思を示しています。

当該機が離陸を開始しようとした位置の前方のLightは何色だったのでしょうか?Taxiwayから離陸を開始したなら、機の前方のLightは『緑』であったはずです。

滑走路の中心線を現すLightは『白』であり、間違えようにも間違えることすらできないでしょう。それとも、両パイロットは空港のLightの色も知らなかった???

Taxiway lightとRunway Center line lightの色の識別も出来なかったとしたらプロ・パイロットをお辞めなさい。

2つめの問題:判断

機長は何故重大な誤りを報告しなかったのか?⇒ 事の重大性を認識する能力が無かった?または、『隠そうとした?』と勘ぐられても仕方が無いでしょう。このミスは重大インシデントとされたほどの大きなミスであり、機長として会社へ即刻報告しなければならないと判断しなければなりません。もし、私が当事者であったら『大変なミスをしてしまった』と動揺が激しくその後の運航を平常心で行える自信はありません。

同じ会社で、CAを副操縦士席に座らせて写真を撮ったことが発覚したばかりです。この程度のパイロットが操縦しているかと思うと飛行機に乗りたくありませんね!

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コメント 3

皮算用

滑走路の前方に飛行機が残っているのに、強引に着陸したのも、確か系列会社でしたね。偶然続いたのか、社風なのか・・・。

離陸前、着陸前のパイロットって、周りの景色に気付かないぐらい、多忙なものなのでしょうか。
by 皮算用 (2015-08-16 11:43) 

カイホ

58歳と50歳の操縦士でした。
恐らくダブルキャプテンなのでしょう。
両名とも乗務停止になっています。

自分も同じ年代なのですが気を付けないと
ならないのが50歳台のOPです。

技量や体力、視力、判断力等すべてが
急に低下する年代だと思います。
「当然わかってるだろう」というTAGの
勾配にも会社は配慮する必要があると
考えます。

172Pですか。35年位前の機材ですね。

今日も茨城で小型機がゴルフ場に
落ちています・・・。
訓練お気をつけて!
今後もブログ楽しみにしております。

by カイホ (2015-08-16 21:27) 

皮算用

カイホさま

ありがとうございます。私も同世代なので、薄々感じていた情報処理能力の低下、身につまされるものがあります。
私も若ぶって、過度にテキパキとした行動をしないように、注意せねばなりません。
by 皮算用 (2015-08-17 12:31) 

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