MRJ
先日、MRJが日本中の期待を背負って初飛行に成功しました。三菱が作った飛行機が何の問題も無く飛べるのは当たり前の話で騒ぐ程のことはありません。しかし、マスコミが褒め上げる話題には苦言を呈したい。
曰く、MRJは新型のEngineを搭載し同じクラスのRegional Jetと比較すると燃費が20%良いとか云々です。それは、MRJ開発当初の話でしょ!それしか『売りが無い』なら最早優位性は無いに等しいのでは?と思います。
世界のRegional jetはマスコミ報道の通り、Bombardier社のCRJとEmbraer 社E-Jet(ERJ)と現在は2分されてはいます。
Bombardier社のCRJは-100/200, 700, 900, 1000があり乗客数は50, 70, 90, 100です。しかし、小さいとは言えJet機で50人乗りでは運航会社の採算が取れず生産の中心はCRJ-900となっています。日本でCRJ-100/200, 700が運航されているのは、CRJ保有会社が(Code-sharingを行っている)大手航空会社の不採算路線を(大手に)代わって運航しているという特殊な事情があります。
CRJは設計が極めて古く、No auto throttle, no auto brake、高カテゴリーやRNP AR運航が出来ない等 E-Jetには全く対抗できなくなり、現在のRegional jetのMarketはEmbraer社のほぼ独占状態になっています。
Bombardier社は、CRJに代えGeared Turbo Fan engine装備のCSeries(110-130席)を開発中ですが、この機体はRegional機より大きくB737やA320の領域と言えRegional機との競合にならないのではないでしょうか。
MRJが新型のGTF engineを搭載し燃費が優れていると宣伝するのを他社が指を加えて傍観しているほど甘くはなく、Embraerは現在『E-Jet-E2』の開発を行っています。E2はやはりGTF engineを搭載しているため、MRJ最大の売り物である優れた燃費と新素材による経済性はE2も概ね同じ程度と推測されます。
MRJはBombardier・Embraerと競合するのではなく、『E2との一騎打ち』となるでしょう。中国のARJやロシアのSukhoiは『特殊な市場』でしか売れないと思います。
現時点での注文数はMRJ約400機、E2が約325でMRJがややリードしていますが、開発が先行したMRJが多いのは当然で概ね同数と見るのが妥当だと思います。MRJを100機発注しているSky west社はE2もやはり100機発注しているのでMRJの将来の売れ行きを楽観視は出来ません。
また、既にRegional機としては確固たる地位を築いているEmbraer社には優位性があります。
三菱がYSの教訓を取り入れ『整備や部品供給のSupport体制をしっかり構築する』と記事には必ず書かれていますが当たり前の話であり、Supportは整備関係だけではありません。
Pilot訓練へのSupportも極めて大事です。LCC市場でA320がB737を凌駕しているのは機体購入費、運航費、整備費用等に加え乗員訓練も含めたトータルで経済的優位があるためとも言われています。
三菱航空機はPilot訓練をCAEと協力体制を築きます。
例えば、25機購入した運航会社はPilotが約200人程度(機長110、副操縦士90人位かな)必要になります。年間の訓練・審査の回数は、概ね機長が3回、副操縦士が2回ですから単純に計算すれば合計510回のSIM回数となります。航空機を100機単位で買うAirlinesは自前でSIMを購入するでしょうが、小さな会社は基本的には『どこかにあるSIMを借用する』ことになります。私が所属していたRegional airlinesでは、SIM訓練をモントリオール、メルボルン、チンタオ等を転々とし今はやっと羽田にFlight SafetyがSIMを設置しました。また、指定養成施設ではないため必要となる実機訓練は路線運航を運休し訓練にあてていました。これらの訓練費用は膨大な額に上ります。
Embraerは某社に機体を売り込んだとき、『買ってくれれば、Pilotの基幹要員の訓練を無償で実施する』と言ったとも言われています。
外国へMRJを売る場合、SIMを設置する場所や数、教官の育成等訓練Support体制の構築は簡単ではありませんが、出来なければ売れないと言うことでしょう。
MRJは初期の90人乗りの後、70人乗りを開発しますがJet機で70人はどうなんでしょうか?日本以外ではTurbo propの領域と考えます。
外観は、MRJのWingletよりE2のB787型の翼端 (Swept back wing tip) の方が私には近代的に見えます。(写真がUp loadできず済みません!)
曰く、MRJは新型のEngineを搭載し同じクラスのRegional Jetと比較すると燃費が20%良いとか云々です。それは、MRJ開発当初の話でしょ!それしか『売りが無い』なら最早優位性は無いに等しいのでは?と思います。
世界のRegional jetはマスコミ報道の通り、Bombardier社のCRJとEmbraer 社E-Jet(ERJ)と現在は2分されてはいます。
Bombardier社のCRJは-100/200, 700, 900, 1000があり乗客数は50, 70, 90, 100です。しかし、小さいとは言えJet機で50人乗りでは運航会社の採算が取れず生産の中心はCRJ-900となっています。日本でCRJ-100/200, 700が運航されているのは、CRJ保有会社が(Code-sharingを行っている)大手航空会社の不採算路線を(大手に)代わって運航しているという特殊な事情があります。
CRJは設計が極めて古く、No auto throttle, no auto brake、高カテゴリーやRNP AR運航が出来ない等 E-Jetには全く対抗できなくなり、現在のRegional jetのMarketはEmbraer社のほぼ独占状態になっています。
Bombardier社は、CRJに代えGeared Turbo Fan engine装備のCSeries(110-130席)を開発中ですが、この機体はRegional機より大きくB737やA320の領域と言えRegional機との競合にならないのではないでしょうか。
MRJが新型のGTF engineを搭載し燃費が優れていると宣伝するのを他社が指を加えて傍観しているほど甘くはなく、Embraerは現在『E-Jet-E2』の開発を行っています。E2はやはりGTF engineを搭載しているため、MRJ最大の売り物である優れた燃費と新素材による経済性はE2も概ね同じ程度と推測されます。
MRJはBombardier・Embraerと競合するのではなく、『E2との一騎打ち』となるでしょう。中国のARJやロシアのSukhoiは『特殊な市場』でしか売れないと思います。
現時点での注文数はMRJ約400機、E2が約325でMRJがややリードしていますが、開発が先行したMRJが多いのは当然で概ね同数と見るのが妥当だと思います。MRJを100機発注しているSky west社はE2もやはり100機発注しているのでMRJの将来の売れ行きを楽観視は出来ません。
また、既にRegional機としては確固たる地位を築いているEmbraer社には優位性があります。
三菱がYSの教訓を取り入れ『整備や部品供給のSupport体制をしっかり構築する』と記事には必ず書かれていますが当たり前の話であり、Supportは整備関係だけではありません。
Pilot訓練へのSupportも極めて大事です。LCC市場でA320がB737を凌駕しているのは機体購入費、運航費、整備費用等に加え乗員訓練も含めたトータルで経済的優位があるためとも言われています。
三菱航空機はPilot訓練をCAEと協力体制を築きます。
例えば、25機購入した運航会社はPilotが約200人程度(機長110、副操縦士90人位かな)必要になります。年間の訓練・審査の回数は、概ね機長が3回、副操縦士が2回ですから単純に計算すれば合計510回のSIM回数となります。航空機を100機単位で買うAirlinesは自前でSIMを購入するでしょうが、小さな会社は基本的には『どこかにあるSIMを借用する』ことになります。私が所属していたRegional airlinesでは、SIM訓練をモントリオール、メルボルン、チンタオ等を転々とし今はやっと羽田にFlight SafetyがSIMを設置しました。また、指定養成施設ではないため必要となる実機訓練は路線運航を運休し訓練にあてていました。これらの訓練費用は膨大な額に上ります。
Embraerは某社に機体を売り込んだとき、『買ってくれれば、Pilotの基幹要員の訓練を無償で実施する』と言ったとも言われています。
外国へMRJを売る場合、SIMを設置する場所や数、教官の育成等訓練Support体制の構築は簡単ではありませんが、出来なければ売れないと言うことでしょう。
MRJは初期の90人乗りの後、70人乗りを開発しますがJet機で70人はどうなんでしょうか?日本以外ではTurbo propの領域と考えます。
外観は、MRJのWingletよりE2のB787型の翼端 (Swept back wing tip) の方が私には近代的に見えます。(写真がUp loadできず済みません!)
2015-11-25 15:04
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E-jets-E2の受注数は既に600機を超えたそうです。訂正します。
by oldfogy (2015-11-27 09:28)
ブラジルはコーヒーから旅客機に変わった事がビックリポンです。
昨年Jair使って秋田に行った時に初めて乗りました。中国の飛行機って出来る事なら乗りたくないです。
あちらの空港で誘導路から滑走路に入る時に体が横に倒れるほどのコーナリングテクニックで止まる事無くそのまま離陸しよったのには驚きました。日本の飛行機でそんな事絶対なかったからずっと覚えてます。
頑張れ三菱
by 無責任一代男 (2015-11-27 11:14)